はじめに
近年、健康の重要性が強調されるようになりました。
多くの人が、自分自身が健康であること、或いは、自分の周囲が健康であることを望んでいます。
しかしながら、これは、最近になって起こった、目新しいことではないようです。
太古の昔から、加持祈祷、おまじない、薬草を用いることなどを通じて、人間は健康であることを追い求めてきました。
その方法は違っていても、健康を追い求める心には、現代に生きる我々と同じものがあります。
慌ただしい昨今、これまでに言われてきたような、体の健康に加えて、心の健康の重要性も認識されるようになってきています。
めまぐるしい変化を遂げる現代社会の様々なストレスにさらされながら、困ったことや心配事にであい、それを乗り越えて行くことは、決して簡単なことではありません。
しかしながら、不運にも心の健康を損なってしまったとき、その原因の一つに、心の弱さ、あるいは、精神力の弱さといったものに、どうしても目がいってしまいがちです。
しかし、この考え方だけで全てが解決するでしょうか。
我々は、体の病気を予防します。健康を害さないように、常日頃から、体に対して様々な気配りをしています。
一方、心の方はどうでしょうか。慌ただしさのあまり、おろそかになってはいないでしょうか。
心が不健康な状態に陥ることを、ある程度未然に防ぐことは、決して不可能な事ではありません。
しかし、心が目に見えないものである以上、その状態を自分の感覚だけで正確にとらえようとしても、そこにはどうしても限界があります。
では、どうしたらよいのでしょうか。
・心の健康を保つことは、決して難しいことではないこと
・しかし、そのためには、心の状態を知ることが重要であること
・さらに、目に見えないもの故に、自分一人だけの「努力」ではどうしようもないこと
以上を、常に踏まえておく必要があるのです。
みなさんもご存知の通り、人の心は非常に複雑な働きをしています。
そのために、一つの物差しだけで、心が今、どのような状態であるのかを知ることはできません。
心の状態を知るためには、様々な切り口から、いろいろな見方をすることが必要です。
また、それぞれの心の状態の見方には、それぞれの考え方があります。
自分の心の状態を知るためには、これら様々な心の働きについての考え方を理解するこも重要なのです。
そして、体の健康と同様に、心の健康を増進するためには、日頃からの注意が大切です。